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2008.12.07 (Sun)

地方自治体改革の意味

戦後の国土形成はあらゆる面において東京一極集中の状態を生んだ。その弊害の解決がいま地方政府の権限改革という「分権」と国家財政政策の再編成という「分財」によって提議されている。これらの改革は肥大化し、硬直化した国家組織を変質させることは疑いない。昨今の宮崎や夕張などへの注目はこれらの政治事象をどう変流させていくのであろうか。

都市という存在がそこに集う人間のあらゆる活動の集積結果から生じた構築物であるならば、情報・文化・経済・政治など、その抱える機能は無限に肥大化していく。そのような集積過程が都市拡大のルールならば、東京は先の大戦以後世界で最もそのルールを受け入れ、あらゆる都市機能が世界最高度に複合化された都市のひとつだといえる。

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映画『イノセンス』の中で主人公が発した「生命の本質が遺伝子を介して伝播する情報だとすると、社会や文化もまた膨大な記憶システムに他ならないし、都市が巨大な外部記憶装置」であると指摘した台詞は、この国家と都市の関係について論じるなかで最高の表現であるといえる。
しかし、東京に対する都市機能の集中は、国土軸の一極集中化という社会構造を生んでしまった。地方社会の多様性や活力は全て東京などの大都市に吸収され、あらゆる面でそのような大都市に地方都市が依存する体制の完成である。その結果が、地方に非効率な財政運営を押し付けた後の国家的な財政破綻への危機である。この危機への直面が、財政基盤の健全化と国家システムの再編成という緊急の政策課題を現在中央政府がすすめている「道州制の導入」をはじめとする具体的な地方制度改革案に導出させたのである。

だいぶ昔の話になるが、この改革議論のひとつの指針が内閣総理大臣の諮問機関である「第28次地方制度調査会」が取りまとめた審議報告書である。学識経験者18名および国会議員6名ならびに地方六団体関係者6名の計30名で構成された調査会が提出した報告書の内容は、「分権」と「分財」を主要なテーマとした(1)道州制のあり方、(2)大都市制度のあり方、(3)地方の自主性・自律性のあり方、(4)議会のあり方、(5)地方税財政制度のあり方などの五項目に分けることができる。その中でも政策テーマとして重要なものは、道州制のあり方についてと地方税財政制度のあり方についてであろう。
改革の端緒を開いた地方分権一括法と国庫補助負担金・地方交付税及び税源移譲を含む税源配分のあり方に係わるいわゆる「三位一体の改革」の是非が、行政事務執行において中央政府と地方政府のポジションの再編成を迫り、その実行のために一段進んで、統治の根幹である中央政府の機能を本来果たすべき役割に集中させ、中央政府として必要な問題解決能力を高めるという名目で「道州制導入」と「地方税財政制度改革」いう連動した政策議論が浮上したからである。
補完性の原理と近接性の原理によって「道州制」に関しては事務執行の内容の分別と圏域設定がなされ、「地方税財政制度改革」に関しては「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004年」に従った形で3兆円規模の中央政府から地方政府への税源移譲を平成18年度までに確実に実施することなどが提案されている。

勿論、これらの提案に問題がないわけではない。「道州制導入」においては、そもそも現憲法下で可能なのか、どのような客観的理由をもって圏域設定を行うかなどの問題は現存する。「地方税財政制度改革」においても、財源移譲をもって国家全体の財政政策を革めるとあるが、国債発行などによって埋め合わせを迫られることが常態化している財源不足は前提としてどう解決するのか、という問題がある。
都道府県と市町村という二重構造は憲法改正時の予定説であり、これを一段階に変更することは現憲法への違反であると思うが、都道府県の統併合する形をとるならば、この「道州制導入」は立法府の権限であり、問題はないように思える。ただ、圏域設定からみると「道州制導入」は東京一極集中を排するために政策設定したはずであるのに、再びその地域での主要な都市に一極集中化が起こらないか、という疑念は抱いてしまう。
また、無秩序な市町村合併が住民の伝統的帰属意識を無視してはいなかったか、とも指摘したい。財源改革については、景気回復期に突入したとはいえ、定率減税の縮小・廃止や消費税率の引き上げが現在の国民生活水準およびその心理を考えて果たして国民から支持が得られるかどうかは、疑わしいものがある。

だが、閉塞感に陥った国家統治機構を改革するという意味では、これらの提案に私個人はおおいに賛意を表したい。どのような問題が存在するにせよ、国家の統治機構が停滞している今、社会の基盤という共通認識が保持されていれば、積極的な効率性ある改革を急がねばならない。
国家からの独立ではなく、国家の再統合や中央政府と地方政府の機能「分化」という本質が今後の改革内容にまとめられれば、多くの国民もまたこれを支持するものだと確信している。
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